訪問歯科の重要性

飲み込む動作のことを嚥下(えんげ)といいます。

食べ物や飲み物は通常、嚥下によって食道を通過して胃に運ばれます。
しかし、食道と気管が隣り合わせにあることから、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうことがあり、これを誤嚥といいます。

特に嚥下機能が低下していると誤嚥しやすく、さらにせき込むといった防御反応も機能しづらいと誤嚥性肺炎にかかりやすくなります。
 誤嚥性肺炎は、70代以上がかかる肺炎のうち7〜8割を占めているとの報告もあり、非常に危険な病気です。

口腔ケアが不十分で細菌が繁殖している場合、口腔内の細菌が肺に入り、誤嚥性肺炎にかかるリスクが高まります。
口の中を清潔に保ち、誤嚥性肺炎の予防免疫力の活性化につなげていくことが大切なのです。

【捕捉】

「嚥下」とは・・・
「飲み込み」のことで、口の周囲や舌、首などの筋肉を使い、食べ物や飲み物を食道まで送り込む一連の動きのことを言います。
嚥下機能は年齢とともに徐々に弱くなり、早いケースでは50代から衰え始めてしまいます。
高齢者の方で食事の時にむせたり咳き込んだりしてしまう方が多いのは、嚥下機能が衰え、通常食道へいかなければいけない物が気管へ入り込んでしまうためなのです。

食べ物を認識してから口を経由し、胃の中へ送り込む一連の動作(摂食嚥下)は5段階に分けられます。

①先行期(認知期)

食べ物を認知し、口の中に取り込むまでの段階。
食欲を感じ、唾液の分泌や消化管の運動を促す大切な段階です。

②準備期

食べ物を歯で噛み砕き、食べやすく形成する段階。
口に取り込まれた食べ物は舌と歯を使って咀嚼され、唾液と混合されます。

③口腔期

食べ物を喉に送り込む段階。
舌を口の内側に付けることで口腔内の圧を高め、食べ物を喉に送り込む動作を促します。

④咽頭期

食べ物を喉から食道へ運ぶ段階。
「誤嚥」とはこの段階で起きるため、まさに嚥下のポイントと言えます。

⑤食道期

食べ物を食道から胃へ送り込んでいく段階。
食道の入り口部分の筋肉が収縮することで、食べ物が逆流しないように閉鎖します。

一般的に「嚥下」と呼ばれているのは④⑤の段階で、ここで嚥下障害が起こると食べ物をうまく飲み込むことができないため、食事の途中でむせてしまうことが多くなります。
症状が進むと次第に咀嚼力が衰え、食事の量が減り栄養が偏ってしまうことで、低体重や低栄養、骨粗しょう症になりやすくなります。

高齢者にとって嚥下障害で最も怖いことは、嚥下障害が「誤嚥性肺炎」に直結することです
。誤嚥性肺炎は誤って気管支内に逆流した飲食物によって気管支の粘膜が傷つけられ、炎症を起こしてしまう病気です。
嚥下障害によって雑菌を含んだ痰が気管支内に入り込む危険性が高くなるため、死亡リスクが非常に高くなります。
誤嚥性肺炎は高齢者にとってがんに次ぐ死亡要因となっています。

ですので

≪ 摂食嚥下訓練を行い、予防していきましょう!! ≫

 

関連記事